第20回菊武学園杯愛知県中学生将棋選手権大会を開催
今回で20回目となる「菊武学園杯愛知県中学生将棋選手権大会」(学校法人菊武学園主催、菊華高等学校協賛、中日新聞社・尾張旭市教育委員会後援)が令和5年8月18日、名古屋産業大学尾張旭キャンパスで開催されました。
今大会には、愛知県内の中学校23校の将棋部員ら79名が参加し、学年別個人戦の栄冠を目指して、盤上での熱い戦いが繰り広げられました。
当日は、学年別の個人戦のほか、公益社団法人日本将棋連盟(関西本部)所属の室田伊緒女流二段による特別講演、室田女流二段との多面指しによる指導対局・感想戦が行われました。室田女流二段による特別講演は、3回戦が終了し、昼食を終えた後に同大学文化センター大ホールに移動して開催されました。菊華高等学校の山岸鳴門校長が対談形式で室田女流二段を紹介し、将棋を始めたのは小学校5年生の時で、最初は弟が大会で指しているのを見ているだけであったが、日本将棋連盟春日井支部長から「お姉ちゃんも一緒に指そうよ」と何度も誘われ、参加賞の鉛筆につられて参加したのがきっかけだったことや、史上初の「八冠」独占を目指す藤井聡太七冠の姉弟子であり、以前は藤井七冠を「そうちゃん」と呼んでいたという、藤井七冠にまつわるエピソードなどを交えながら、室田女流二段の参加者の心に寄り添う優しいトークで、会場は終始和やかな雰囲気に包まれていました。また、質疑応答では、室田女流二段は「僕は長考派であると思いますが、これからもこのままの姿勢で対局に臨めばよいですか」と中学生からの質問や、「プロ棋士は、やはり数学が得意な人が多いのですか」と中学校教員からの質問に対して、相手に話しかけるような優しい口調でお話をされていました。そうした中 、室田女流二段が「室田女流二段の勝負めしは何ですか」と中学生の保護者からの質問に対して、「対局中の食事は喉に通らないことが多いのですが、あえて言うなら『うどん』です」と素直に語る場面もありました。
その後、場所を移動して、約1時間半にわたって、室田女流二段による多面指しが行われました。室田女流二段は、抽選で選ばれた未来の棋士ら11人を相手に次々と対戦され、対戦後はわかりやすく手ほどきしながら丁寧に解説されていました。参加した中学生らは「とても良い経験になりました。もっと力をつけたいです。プロ棋士の凄さを痛切に感じました」などと話していました。
【大会結果】(優勝者のみ)
■第3学年の部 伊藤 一登 氏(みよし市立北中学校)
■第2学年の部 服部 広大 氏(春日井市立松原中学校)
■第1学年の部 清水 太陽 氏(みよし市立三好丘中学校)
そして、成績発表、表彰式、閉会式を終えた後、今回もそれぞれ学年の部で栄冠に輝いた中学生らは、明るい雰囲気で楽しそうに記念撮影をしていました。
菊武学園杯愛知県中学生将棋選手権大会は、学校法人菊武学園創設者の故高木武彦学園長が将棋をこよなく愛し、若い人たちを育成したいという思いから、毎年、日本将棋連盟東海普及連合会と協賛して開催しています。次回(第21回)は学園長の誕生日8月5日に開催します。